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チーム・レプソル三菱ラリーアート、2009年ダカールラリーに『レーシング ランサー』4台体制で参戦 -ディーゼルエンジン搭載車による、初の総合優勝を目指す-

08 settembre 2008

チーム・レプソル三菱ラリーアート、2009年ダカールラリーに『レーシング ランサー』4台体制で参戦 -ディーゼルエンジン搭載車による、初の総合優勝を目指す-

三菱自動車及び同社のモータースポーツ統括会社MMSPは、レプソル、バレオ、BFグッドリッチからのサポートを受け、チーム・レプソル三菱ラリーアートとして、2009年1月3日(土)~18日(日)にアルゼンチン~チリで開催されるダカールラリーに、ディーゼルターボエンジンを搭載した新型競技車『レーシングランサー』(FIAグループT1規定のスーパープロダクション仕様)で出場する。ドライバーは、ステファン・ペテランセル(フランス)、増岡浩(日本)、リュック・アルファン(フランス)、ホアン・ナニ・ロマ(スペイン)という、2005年から続く磐石の4名体制に変更なし。チーム・レプソル三菱ラリーアートは、新天地・南米大陸で記念すべき30回目を迎えるダカールラリーで、大会史上初のディーゼルエンジン搭載車による総合優勝、そして8大会連続となる通算13勝目を目指す。

尚、『レーシング ランサー』は、10月2日(木) [一般公開は4日(土)]から 19日(日)まで、フランス・パリ市のパリエキスポで開催される「Le Mondial De L' Automobile 2008(通称:パリモーターショー)」で、同車の外観のモチーフとなった、今秋より欧州各国で順次発売する『ランサースポーツバック』とともに展示する。


・ 大会概要
2009年ダカールラリーは、従来のメインルートであった西アフリカ一帯の治安悪化により安全な競技運営が困難であるとして、その舞台を南米大陸に求めた。今回はダカール(セネガルの首都)をルートに一切含まないが、ASO(主催者)はダカールという言葉を地名としてではなく、世界で最も過酷なラリーとして定義付け、ダカールラリーという名称を継承して開催することとした。まず1月3日(土)にアルゼンチンの首都ブエノスアイレスをスタートして同国を南下。大西洋沿岸の観光地として知られるプエルト・マドゥリンで折り返して西方へと向かいアンデス山脈を越えてチリに入国すると、同国を北上して太平洋沿岸の歴史的な港町バルパライソに到着。同地で10日(土)に休息日をとり、11日(日)から競技を再開。同国をさらに北上してアタカマ砂漠を越え、東方へと向かって再びアルゼンチンに入国すると、同国を南下しながら第2の都市コルドバを経由して、18日(日)にブエノスアイレスにゴールするという、壮大な環状コースとなっている。ルートの細部はまだ確定していないが、総走行距離は約9,000kmで計画されており、そのうち競技区間距離は約6,000kmになるという。路面の9割以上はハードなグラベル(未舗装路)であり、その一部には砂地も含まれる。参加者は最大で560チームまでとしており、その内訳は二輪及びクアド(四輪バギー)275台、四輪200台、カミオン(トラック)85台となっている。

・ チーム体制
チーム・レプソル三菱ラリーアートでは、1993年に『パジェロ』を総合優勝に導いた、往年の名コ・ドライバーでもあるドミニク・セリエス(フランス)が監督として指揮を執る。そして、ティエリー・ヴィヤルド(フランス)がテクニカル・ディレクターとして技術面を取り纏め、三菱自動車開発本部モータースポーツ部のエンジニアがこれをサポートする。また、16日間、約9,000kmに及ぶダカールラリーでは物流が勝敗を左右するとも言われるが、デビッド・セリエス(フランス)がロジスティクス・マネージャーとしてこれを運営。チームスタッフは総勢65名で、15台の車両に分乗する。カミオン部門の競技車としてスペシャルステージ(競技区間)を走行し、『レーシングランサー』に何らかのトラブルが発生した場合、即時にこれのアシスタントに回るカミオンが2台、タイヤやパーツ、工具などを満載してリエゾンルートを走るカミオンが5台、エンジニアやメカニックなどチームスタッフが乗車するSUVが8台という体制。このSUVのうち2台が、今秋よりロシアをはじめ、アセアン、中東、中南米、オセアニア地域で順次発売するクロスカントリーSUV『パジェロ スポーツ』となっている。

ドライバー及びコ・ドライバーは、ステファン・ペテランセル/ジャン・ポール・コトレ(ともにフランス)組、増岡浩(日本)/パスカル・メモン(フランス)組、リュック・アルファン/ジル・ピカール(ともにフランス)組、ホアン・ナニ・ロマ/ルーカス・センラ・クルス(ともにスペイン)組という、実力と経験を兼ね備えた磐石のラインアップ。ペテランセルは、二輪部門で通算6勝を挙げると、1999年に四輪部門へ転向し、2002年より三菱自動車チームに加入。2004~2005年、2007年に『パジェロエボリューション』で通算3勝を挙げており、名実ともにダカールラリー最強のドライバーといえよう。増岡は、1990年、1994年に市販車改造クラスの『パジェロ』で優勝すると、2000年にトップチームに昇格。2002~2003年には『パジェロ』『パジェロエボリューション』で2連覇を飾るなど、日本を代表するラリードライバーである。アルファンは、1997年FIS(国際スキー連盟)ワールドカップのアルペンスキー年間王者を獲得した後、1998年からダカールラリーに参戦。2004年に三菱自動車チームに加入し、2006年には『パジェロエボリューション』で初優勝を遂げている。ロマは、1994年にエンデューロ(二輪の耐久オフロードレース)の欧州選手権王者を獲得し、1996年からダカールラリーに出場。その後、2004年に二輪部門で優勝を飾ると、2005年に三菱自動車チームに抜擢されて四輪部門に転向。2006年には『パジェロエボリューション』で総合3位に入賞するなど、トップドライバーとしての実力を示している。

・ 車両概要
『レーシングランサー』は、2002年大会から施行されているFIA(世界自動車連盟)のグループT1規定に則り、2010年から施行される新しいレギュレーションにも一部対応した、スーパープロダクション仕様のクロスカントリーラリーカーで、『パジェロエボリューション』で培ったノウハウを随所に盛り込んでいる。ディーゼルターボエンジンは2006年4月に開発に着手し、2007年6月には『パジェロエボリューション』に搭載して先行試験を開始。2007年8月に車体の開発を開始し、2008年6月に1号車が完成した。この1号車はフランスのオフロードコースでシェイクダウンを行うと、スペインとモロッコでそれぞれ1週間ずつのテストを実施。ここまでのテストで得たデータを元にモディファイを施し、8 月下旬~9月上旬、10月中旬~下旬にそれぞれ約2週間のテストをモロッコで行い、10月30日(木)~11月2日(日)にポルトガルで開催されるFIA クロスカントリーバハ・インターナショナルカップ第6戦バハ・ポルトガルにデビューさせる予定となっている。

『レーシングランサー』は、軽量化をテーマとして新たに設計したスチール製の一体構造マルチチューブラーフレームを採用。2010年からの新規定に対応してホイールベースを延長したことにより生まれたスペースを利用し、従来よりも燃料タンクの搭載位置を低下させて低重心化を図っている。また、スペアタイヤ(3本)の積載位置を従来よりも前方に配置したことで慣性モーメントを抑制したことにより、ハンドリング性能の向上に寄与している。これを覆うカーボン製のボディパネルは、『ランサースポーツバック』をモチーフとして三菱自動車デザイン部がデザインし、実験総括部で空力性能を確認しながら最終形状を決定した。これに搭載するのは、3L V型6気筒ディーゼルターボエンジンで、全域で高出力を発揮する2ステージターボシステムを採用。これは両側それぞれに大型と小型のタービン2個を備え、回転数と負荷に応じて大小のタービンを協調させるシステムで、現状では最高出力280PS(206kW)以上、最大トルク66.3kg・m(650N・ m)以上を実現しており、さらなる高性能化を追求して開発を進めている。インタークーラー用のラジエーターは車体後方に配置し、これに冷却風を導入するエアスクープがルーフ幅いっぱいの特徴的な形状となっている。トランスミッションはリカルド社製5速マニュアル(シーケンシャル)で、ディーゼルターボエンジンが発生する強力なトルクにも耐えうる強度を有している。また、ディファレンシャルは従来の2段減速機構からシンプルな1段減速機構としたほか、ハウジングをアルミ製からスチール製として剛性を向上させ、『パジェロエボリューション』から差動制限装置付センターデフ式フルタイム4WDを継承している。サスペンションは前後とも独立懸架ダブルウィッシュボーン式コイルスプリングを踏襲しつつジオメトリーを大幅に変更して採用したほか、BOS社製ダンパーも調整範囲を拡大させるなど、ハンドリング性能を向上させている。尚、ブレーキはbrembo社製16インチベンチレーテッドディスク(6ポッドキャリパー)を、ホイールはOZ社製アルミホイール(16×7JJ)、タイヤはBFグッドリッチ社製の低エネルギーロスタイプのラリータイヤ(245/80-16)を採用している。

・ 主要諸元
全長  4475mm
全幅  1990mm
ホイールベース  2900mm
トレッド(前/後)  1750mm/1750mm
車両重量  1900kg(規則最低重量)
エンジン形式  V型6気筒 ディーゼルターボ(ドライサンプ式オイルシステム付)
燃料噴射装置  高圧コモンレール
排気量  2.997L
最高出力  280PS(206kW)以上
最大トルク  66.3kg・m(650N・m)以上
タンク容量  未定
変速機  リカルド社製5速シーケンシャルマニュアル
4WDシステム  差動制限装置付センターデフ式フルタイム4WD
フロントデフ  リカルド社製差動制限装置付
リヤデフ  リカルド社製差動制限装置付
フロントサスペンション  独立懸架/ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング
リヤサスペンション  独立懸架/ダブルウィッシュボーン式コイルスプリング
 +アンチロールバー
ショックアブソーバー  BOS社製 減衰力調整式ダンパー
ホイールストローク(前/後)  250mm/250mm
ステアリング形式  ラック&ピニオン(パワーステアリング)
ブレーキ形式  brembo社製 6ポッドキャリパー+ベンチレーテッドディスク
ホイール  OZ社製アルミニウムホイール(16×7JJ)
タイヤ  BFグッドリッチ社製(245/80-16)
その他特徴  スチール製マルチチューブラフレーム+カーボン製ボディ

・ 環境施策
チーム・レプソル三菱ラリーアートは、2009年ダカールラリーにおいて環境に配慮した各種施策を実施する。『レーシング ランサー』では、実戦を通じて低圧縮比燃焼や高圧燃料噴射といったディーゼル技術の開発を進めると同時に、レプソル社製のカーボン・ニュートラル*1であるバイオ燃料*2を混合した軽油を使用するほか、バレオ社製の優れた冷却性能を発揮する冷却システムと高効率で省エネタイプのLEDライト、BFグッドリッチ社製の転がり抵抗を低減しながら従来同等のグリップ性能を実現したラリータイヤを採用。また、損耗頻度の高いフロントバンパーコーナー部やマッドガードなどにはグリーンプラスチック*3を採用する予定である。

*1 カーボン・ニュートラル・・・原料となる植物が成長する過程での光合成により、大気中の二酸化炭素を吸収しているため、ライフサイクル全体では二酸化炭素の排出量を削減しているという考え方。
*2 バイオ燃料・・・同チームでは、非食物系の植物を原料とする軽油代替燃料を採用。
*3 グリーンプラスチック・・・石油由来樹脂に替わる植物由来樹脂。



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